地中海式食事法はオリーブオイルを習慣的に用いながら、穀物、果物、野菜を毎日取り、たん白源として、適量の乳製品、豆類、肉を取り、適量のワインを飲む食事方法です。
2010年のUNESCOの世界無形文化遺産に登録され、日本でも注目が集まっています。
地中海式ダイエットが現在注目を集めている理由を説明する上で、オリーブの存在は欠かせません。実際に地中海式ダイエットの核になるオリーブオイルを日常的に摂取する人々は、心臓病の発生率が低いという疫学的なデータも出ています。下記の図は、地中海のクレタ島の人々が日常的にオリーブオイルを摂取することで、脂肪の摂取量が多いにも関わらず、心臓病の発生率が低いことを示しています。一方で、北欧のフィンランドの人々は、クレタ島の人々と同じくらいの脂肪を摂取していますが、心臓病の発生率はクレタ島の人々よりも多いことがわかります。
この違いには、オリーブオイルを日常的に摂取しているか否かかが重要になることを意味しています。オリーブオイルに含まれるオレイン酸やポリフェノール(ヒドロキシチロソール等)が私たちの健康に大きく寄与していることを示唆しています。
摂取する総カロリーの内脂肪が占める割合と、心臓病の発生(10年間の男性1万人当たりに対する件数)を示してある。総カロリーのうち、約40%を動物性脂肪として摂取している北欧の人々では、心臓病の発生率が高い。一方クレタ島の人々は脂肪の摂取量は同じように高いのに、心臓病の発生率は、総カロリーのうち脂肪が占める割合がわずか10%に過ぎなかった1956年当時の日本人よりも低い。